相愛カタストロフィ
「前から思ってたんだけど、
羽結あんまり胸が無「最低!クズ!」
気にしてるのに!本当に有り得ないなこの男。
…そんな男に依存しかけている私も相当有り得ないけど。
距離をとろうとすると、
腰に巻かれた先輩の腕のせいで身動きが取れないに気づく。
「冗談だよ羽結、仲直りしよ」
ニコニコしている目の前の彼には全く反省の色が見えない。
先輩は私をぐっと抱き寄せて、膝の上に乗せる。
近すぎる…首筋に先輩の吐息がかかるのが恥ずかしくてしょうがない。
「ねえこっち向いて?」
「無理…」
「意識してる?それって俺のこと好きってことだよね?認めたのついに?羽結おれの彼女?」
意識していない。好きじゃない。認めていない。
私はゆっくり先輩の方を向く。
瞬間、当たった先輩の唇。
頭を支えられて動けない。目を閉じることも忘れて、目の前の先輩を見つめる。
今この時間、彼は私のことだけを考えているんだろう。
そして、私も──────。