相愛カタストロフィ
「麻柴」
振り返ると、クラスメイトの水瀬 芹(みなせ せり)が立っていた。
「芹、どしたの」
芹は中学からの同級生。年の離れた妹がいるからか、面倒見がよくてついつい頼ってしまう。
それくらい仲はいい。
「今日放課後話せない?」
お昼にきたメッセージが頭に浮かぶ。
「白雪姫…」
「何て?」
「いやっ何でも!」
…まあいっか、昨日みたいにあんまり甘やかすといけないし。
噂が出た昨日の今日で会うのは、なんとなく危なそう。
「うん、いいよ!放課後ね」
「んじゃまた後で」
あの後、先輩からたくさんスタンプが送られてきて未読にしていたら10件もたまっていた。
クマさんが「来世でも一緒!」ってニコニコしてるスタンプ。×10
いちいち重いんだよなあ。
メッセージを開いて“今日は先に帰っててください”と返事を打った。
返事をしたあと、またメッセージがきたけど放課後まで開くことは無かった。