相愛カタストロフィ
――放課後
「あのさ、だいぶ前から好きなんだけど」
「…スキナンダケド」
思わず復唱してしまう。
芹が私を…
呼び出された時、もしかしてとは思ったけれど。
「やっぱり五月宙先輩がいい?」
何故、ナゼナゼナゼ
「人気じゃんあの人。麻柴のタイプど真ん中だろ」
バレてなかった、セーフ。
そういえば、爽やかな人が好きだと芹に話したことがある。
でも決して五月先輩は爽やかではない。言うならば、腹黒サドだ。
「違う、けど」
「俺、麻柴の特別になりたい。
友達じゃなくて、俺の彼女になってほしい」
ドキ、と心臓が鳴る。
「五月宙先輩より麻柴のこと好きな自信ある」
ん…?
「お前らキスしてんの見た」
どこがセーフだ。アウトだよ羽結。
うわあどうしよう、顔面蒼白とはこのことだと身をもって実感する。
「あの、いやでも付き合ってはないです」
いやそれ言ったらもっとアウトだ。もう言い逃れできない。