相愛カタストロフィ
何秒か何分かも分からない時間が過ぎて、
やっと離れた先輩は、少しだけ悲しそうな顔をした。
と思ったら、最高にヤバそうな顔で微笑んだ。
目が笑っていない。怖い。
目の前にいるのは、本当に人間?血流れてる?
先輩の指が私の唇をなぞる。
「どうせ羽結は俺のところに戻ってくるでしょ?」
「っ戻りませんから!
さよなら先輩!」
――それっきり、先輩とは顔を合わせていない。学校ですれ違うことも無く、気づけば一ヶ月を過ぎていた。
芹とはいつも通り。
最近はよく一緒に帰ったりもする。芹と話してる時間は面白くって好き。
でも、何かが足りない。
原因は分かっている、認めたくはないけれど。
…寂しいんだ、私。
こうなることが分かってて、俺のところに戻ってくる、なんて言ったんだろうか。
優等生は侮れない。
きっと、このままじゃダメだ。