相愛カタストロフィ
願わくはトゥルーエンド
「好きな人いるの」
「…わからないです
好きって、胸がキュンて鳴るやつですよね、ヤキモチ焼いたりとか。
私はその人にそんなの思ったことない、」
「その人って俺でしょ」
…しまった。自分から言っちゃった。
間違いなく、私は今先輩を思い浮かべて口に出した。
先輩は、何も話さない私の腕を引いて、人通りの無い場所まで来る。
雨音だけが耳に入る。
周りに人がいないのを確認すると、ここならいいでしょ、とぎゅうっと抱きしめられる。
…先輩の匂いだ。
「…先輩といてもキュンてしません、キュンが分からないけど。ヤキモチも焼いたことないです」
「それだけが好きって形なわけじゃないよ
例えば見た目が好きとか、話が合うとか、
あとは、その人を自分だけのものにしたい死ぬ時は一緒に死にたいとか」
狂愛入ってる
「俺の場合は、羽結の存在全てが好き、一緒に死ねる」
「な…っ」
「羽結は絶対俺のこと好きだよ」
その言葉が、ストンと私の心に落ちてきた。
───私は、先輩が好きだ。