相愛カタストロフィ
明日は土曜日なので、小説二冊とスイーツの本を借りた。
ちなみに作るわけじゃなくて、見る用。
可愛くって美味しそうなお菓子を見るとついつい頬がゆるむ。
――ブブ。
制服のポケットに入れたスマホが小さく震える。
あ、終わったのかな、戻らないと。
廊下に出ると、「羽結みっけ」って先輩の声がして顔を上げる。向かいの生徒会室から、ちょうど出てきたらしい。
「先輩」
「ごめんね遅れた、
もう俺しかいないからそんな周り見なくても大丈夫だよ、羽結」
先輩の言葉にホッと胸を撫で下ろす。
こんなところを見つかったら噂になってしまう。