もう二度と恋なんてしないと思っていた

いつも仕事に行く1時間前に起きる彼のことだから8時頃アラームが鳴り出すのだろう。

…起きてくる前に朝ご飯を用意しておこう。

彼が起きないようにそっとベッドから抜け出す。顔を洗って軽く化粧をした後今日の朝ごはんは何にしようかなぁ〜なんて考えながら冷蔵庫を覗く。

パンと目玉焼き、簡単なサラダを作って珈琲を淹れていると

♪pipipipi〜

「セーフ、間に合った！」あまりのタイミングの良さにニンマリしてしまう。

「ん〜ぁ〜！おはよー」
「おはよう。ご飯出来てるよ。」

大きく伸びををしながらリビングのドアをくぐってくる端正な顔立ち。

「今日は朝ゆっくりなんだね」
「昨日メンバーとジャンケンで勝ったから今日はスタジオ入りが遅いんだ」
「珍しい〜いつも負けるのにね」

まだ眠そうな顔をしながらテーブルにつき、いただきます。と手を合わせる彼。

芦生奏馬
名前を聞けば大抵の人は勘付く。
今人気絶頂の男性アイドルグループの一員。
この人が私の大好きな人、彼氏です