Tear Flowes〜We are losers〜
一人足りない
特殊捜査チームの部屋は、あの日からずっと暗いままだ。大切なリーダーであるシオン・アカツキを失ってから、もう二ヶ月ほどが経ってしまったというのに、空気は重いまま。
「おはようございます……」
フィオナ・カモミールが部屋のドアを開ければ、一番最初に目に飛び込んでくるのはシオンが使っていたデスクだ。まだシオンが集めた資料などが綺麗に並べられており、シオンはまたここに来て事件の捜査をしようと言うのではないかとフィオナは一瞬思ってしまう。シオンはフィオナの目の前で命を奪われたというのにだ……。
「シオンさんのデスク、片付けないといけないんだけど……」
シオンの右腕で、今は捜査チームのリーダーとなったサルビア・ホープが悲しそうな目でデスクを撫でる。サルビアが綺麗に掃除をしているため、デスクには埃一つついていない。
「シオンさんは家族と絶縁していて、連絡先がわからないから処分しようにもできないんだろ。まあ、俺はデスクはこのままにしておいてほしいけどな」
「おはようございます……」
フィオナ・カモミールが部屋のドアを開ければ、一番最初に目に飛び込んでくるのはシオンが使っていたデスクだ。まだシオンが集めた資料などが綺麗に並べられており、シオンはまたここに来て事件の捜査をしようと言うのではないかとフィオナは一瞬思ってしまう。シオンはフィオナの目の前で命を奪われたというのにだ……。
「シオンさんのデスク、片付けないといけないんだけど……」
シオンの右腕で、今は捜査チームのリーダーとなったサルビア・ホープが悲しそうな目でデスクを撫でる。サルビアが綺麗に掃除をしているため、デスクには埃一つついていない。
「シオンさんは家族と絶縁していて、連絡先がわからないから処分しようにもできないんだろ。まあ、俺はデスクはこのままにしておいてほしいけどな」
< 1 / 30 >