Tear Flowes〜We are losers〜
「フィオナ!」

フィオナが走っていると、レティシアやレイモンド、サルビアにフリージアと合流できた。みんな緊張したような表情だ。

「急ぎましょう!」

レティシアがそう言い、フィオナは息を吸い込む。刹那、いつもと違う空気に肺が悲鳴を上げて咳き込んでしまった。

「何だ、この空気……。やけに焦げ臭い……」

フリージアが口元を手で覆う。そしてサルビアが近くに植えられていたパンジーの花に声をかけ、表情を固くした。

「特殊捜査チームの部屋のあたりで火事が起きているそうです!」

「ッ!」

フィオナの体に寒気が走り、足が早く動く。火災の煙を吸ってしまえば、命の危険がある。もしエヴァンが火災現場に放置されていたとしたらまずい。

「エヴァン!」

そう叫びながらフィオナが目にしたのは、炎に包まれる特殊捜査チームの部屋だった。

「どうして……」

フィオナは足を止める。特殊捜査チームの部屋は、警察でも一部の人間しか知らない。考えられるのは一つだ。エヴァンを拷問した際に聞き出したのだろう。
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