一夏だけじゃ、だめ。
一緒に帰ることになり、隣を歩く伶依はいつも以上に無口でちょっと様子がおかしい。
どうしたんだろう?
ふしぎに思いながらも、帰宅途中にあるコンビニに寄り道をした。
アイスを吟味する伶依の横顔をこっそり見ながら、ふと考える。
ーーあたしにとって、伶依は昔から特別だった。
なんていうんだろう、家族みたいな、親友みたいな。
でも、伶依にもいつか彼女ができたり……。
そしたらあたし、いっしょには居られなくなるのかな。
「珠璃? どした?」
「いやっ、なんでも……。 もうアイス決めた? あたし、これにしよっと」
「やっぱチョコか。 じゃ俺が奢ってやるよ」
「やった〜! ありがとう!」
伶依にドキドキしたことはない、って言えば、ウソになるけど……。
友だち以上恋人未満、みたいな関係なんだろうな。