一夏だけじゃ、だめ。
珠璃はもう制服から私服に着替えていて、ショートパンツからのぞくスラリとした白い足にどうしても目がいってしまうのは許してほしい。
「そう? 確かにホームルーム早めに終わったけどさ。 彼氏と別れたし待つ相手もいないから、さっさと帰って漫画でも読もうかなって思ったの」
「は?」
「いざ読もうとしたら、続きがないから伶依が帰ってくるの待ち伏せしてた」
ケラケラと笑いながら慣れたように俺の部屋へと入っていく珠璃を追うけど、頭は大混乱していた。
……マジで? 彼氏と別れた?
「えっと、何巻まで借りてたっけ……。 ん〜っと……あ、あった! 今ここで読んでいい?」
「……えっ、あ、いいけど」
珠璃は袋から漫画を出し本棚に戻してから、続きの漫画を手に取って読み出した。
……爆弾発言しておいて、お気楽なもんだ。