君の言葉で話したい。
「だから辞められて嬉しいし、
また新しいバイト先を探すよ。
泣かないで。」

弱々しく震える彼に笑いかけて、
花をもう一度よく見ると、
行儀良く整列している様が、
何とも愛らしかった。
甘い香りが仄かに薫る。

「花、ありがとう。嬉しい。
元気でね。宗さん。」

「待ってください。」

立ち去ろうとした途端、
彼にいきなり腕を掴まれ、
驚いて思わず声を上げた。

彼は嗚咽を漏らしながらも、
しっかりと鈴に向き直る。

「私、貴方が好きです。」

初めて会ったときから、
ずっと。

そうして鈴をもう一度、
見つめてきたのだった。

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