君の言葉で話したい。
「鈴!大丈夫だった?」
店を出ると、
蒼太が手に汗握りながら、
駆け寄ってくる。
花を見るなり、
硬かった表情が、
柔らかくなった。

「なんだ、心配してたけど、
穏便に退職できたんだな。」
「告白は穏便のうちに入る?」
冗談めかして、聞いてみると、
蒼太は明らかに動揺した。

「は?告白?浮気?」
「前に話していた後輩の中国人に、
告白された。」
「…まさかOKしてないよね。
俺、前にも言ったけど、
鈴に振られたら、
本気で死ぬから。」

辺りの空気が一気に冷え込む。
鈴は思わず吹き出した。

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