君の言葉で話したい。
「元気にしてた?
スーパーで上手くやってる?」
彼は首を横に振った。
「辞めました。」
せっかく守ってもらったのに、
すみません。
彼は気まずそうに頭を下げる。
「今は中華料理店で働いています。」
以前と比べ、
随分と吹っ切れたような、
表情になった。

同じ言葉を話す仲間がいると、
やはり心強いのだろう。

中国語を話せない自分は、
一緒になったとしても、
彼の支えにはなれない。
そう突きつけられた気がして、
勝手に自暴自棄になったが、
彼はお構いなしに、
続けた。
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