君の言葉で話したい。
思わず感情的になる。
あと少しで公共の場で、
涙してしまうところだった。

「あのねえ。」
京子は迷惑そうにもう一度、
大きな溜息をつく。

「元彼と元同僚のことばっかり、
気にしてるみたいだけどさ。」

彼のことを傷つけるのはいいわけ?
そう突きつけられるとは思っていなかった。
ひるむ鈴に、京子は続けた。

「頑張って日本語を勉強して、
一度迷惑だって言われても、
勇気を出して、もう一度告白したのに、
逃げ出されたんだよ。
その気持ち考えたことある?」

今の鈴のことは支持できない。
私は彼の味方だ、
とにかく雨泽と話せと、
何度もけしかけられ、

鈴は数ヶ月ぶりくらいに、
雨泽の連絡先を開いた。
< 46 / 54 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop