俺がお前を夢の舞台へ
「この女…の子、勇翔さんの知り合いっすか…?」


私への偉そうで強引な態度とは真逆の、明らかに怯えた態度。


勇翔はこんなヤンキーにも知れ渡っていて、なおかつ怖がられるような存在なの…?


それならどうしてコンビニでバイトを…?


「知り合いだけど、それが何?もし俺の知り合いじゃなかったら強引にホテル連れ込んでたっつーことか?」


「いや…それは……その…」


勇翔が私を後ろに下げ、庇うように立ってくれる。


男らしいその背中。


ドクンドクン…と胸が動く。


「酔ってんだろうけど、無理やり女を誘って怖がらせるって最低だかんな。分かってんのかお前」


声を荒げているわけじゃないのに、男を震え上がらせるには十分みたいだった。


しきりにコクコク頷いている。


「二度とこういうことはするな。それと、二度とこの女に近づくな。次近づいたらタダじゃすまねぇから」


「はいっ!すみませんでしたっっ!!」


男は、深々と頭を下げてダッシュで逃げていった。
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