俺がお前を夢の舞台へ
「真剣に考えてる?」


「うん。だってこれ俺が欲しいって思ってるぐらい性能いいやつだもん。監督も喜ぶって」


「ふーん…」


蒼空はプレゼントを選ぶセンスも抜群だからなぁ。


「じゃ、これでいいや。これ買ってくる」


「雑すぎ。いーの?店入って1分も経ってないけど」


「うん。蒼空のセンス信用してるもん」


ジャージを片手に鞄を漁っていると、さりげなくそのジャージを受け取ってくれた。


「ありがと。てか私のお財布知らない?」


家出る前に鞄に入れたと思ったんだけどなぁ…。


「忘れたのかなぁ」


勇翔のことを考えながら準備したから忘れちゃったんだ。


仕方ない。


まだ出直そう。


そう思ってジャージを元の位置に戻そうとしたけど、蒼空はスタスタとレジに向かっていく。


「俺が出す」


「ありがと、助かる。あとで返すね」


「ん」


蒼空がレジに並んでいる間、私は隣の雑貨屋でアクセサリーを眺めることに。
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