俺がお前を夢の舞台へ
彩絢がもしアイツ以外の他の男を好きになったのなら、諦めがつく。


だけど、アイツにだけは負けられない。


夢を否定し、壊そうとするアイツにだけは。


そう思う一方で、同時に、アイツの戦力に魅力を感じてもいた。


彩絢やその他いろんなことを除いて、野球だけを見てみれば、勇翔の実力は相当なもの。


アイツが入部してくれたら、夢の舞台はグッと近くなる。


だけど。


あんな男と同じチームでプレーできるもんか。


夢を追うことを諦め、夢をバカにするアイツとやっていけるわけがない。


だけど。


アイツの力がなければ夢は叶えられそうもない。


そのアンビバレントな思いが駆け巡っているせいで、余計にイライラする。
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