俺がお前を夢の舞台へ
「あの…蒼空…。あのさ…」


これ以上、勇翔と蒼空の溝を深めたくなかった。


蒼空は、修復は無理だと言っていたけど、私はそんなことないと信じてる。


本当にお互いのことが嫌いなら、関わらなければいい話。


それなのに二人ともお互いに突っ掛かって関わろうとする。


だからまだ修復のチャンスはある。


いつか来るであろうそのチャンスを潰さないためにも、今小さなことで喧嘩してる場合じゃないんだ。


「昨日のことは勇翔は無関係だから。勇翔を責めないで」


私が強めの口調で言い切ると、驚いた表情を見せたのは勇翔だった。


でも、それも一瞬のことで、すぐに冷たい表情に戻る。


逆に、蒼空は苛立った表情を変えない。
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