俺がお前を夢の舞台へ
「……なんでコイツを庇うわけ?」


勇翔へ向けられた視線が私へ移動する。


やましいことなんて何もないはずなのに、なぜだかその視線から逃れたくなった。


別に私は何も悪いことをしていない。


それなのに、咎められているような…そんな気分に陥った。


「昨日、勇翔勇翔って言いながら泣いてたろ」


「…そんなこと…」


“そんなことない”とは言えなかった。


あまり覚えていないけど、勇翔の名前を呟いていたのかもしれない。


それを蒼空は聞いてたの…?


「彩絢がコイツに泣かされたかと思うと、本気で腹が立つ」


「ごめん……」


蒼空はどんな気持ちでいたんだろう…。


きっと、すごく嫌な気分になったに違いない。


彼氏の目の前で、他の男性のことで泣くなんてあんまりだよね…。
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