俺がお前を夢の舞台へ
きっと、泣きながら帰ってきた私を心配して部屋まで来てくれたに違いない。


それなのに私…。


「ごめんね…蒼空……」


何してるんだろう…私…。


勇翔に気を取られてばかりで、蒼空のことをおろそかにしてしまう。


こんなんじゃダメなのに…っ。


「もういいだろ。俺が悪かった。彩絢は本当に何も悪くないから」


勇翔……?


なんで…?


あんなに怒ってたのに、庇ってくれるの…?


「そうやってお互いに庇い合って、何がしたいんだよ」


勇翔はスマホを置き、蒼空をジッと見る。


「お前こそ、無駄なことで彩絢を困らせんな。俺のことで泣こうが泣かまいが彩絢の自由。それを責めるのはおかしな話だろ」


勇翔…?


昨日はあんなに怒ってたのに、どうして…?
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