俺がお前を夢の舞台へ
「まっ、無事回復したし、体もそこまで鈍ってなかったからよかった」


そう言って明るく笑う。


元気そうでよかった。


「そういや、この前はごめんな」


「え…?」


「勇翔の件」


あぁ…。


そうだ。


私も謝らなきゃ。


「あれは私が悪いんだよ。ごめんね、蒼空」


私がもっと蒼空のことを気にかけていればよかった。


きっと…勇翔のことばかり考えているのがバレちゃったんだろうな。


「…仲直りする代わりって言ったらなんだけど、もう勇翔のことを考えるのはやめろよ」


笑顔を消し、真顔で見つめられる。


「それは…」


すぐには頷けなかった。


勇翔は大切な存在だし、これから距離を縮めようと思っていたところだから。
< 127 / 434 >

この作品をシェア

pagetop