俺がお前を夢の舞台へ

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「ねぇ勇翔。これ見て?」


「…え?」


それから数日。


勇翔との距離は相変わらず微妙だけど、会話は増えてきた気がする。


勇翔との会話をあんなに嫌がっていた蒼空も、話を振れば輪に入ってくれるようになった。


昔のように3人仲良くってことはできないけど、転校してきたばかりの頃に比べたら大きな進歩だ。


少しずつ私たちの関係性は変わってきているんだ。


「昔の写真。懐かしくない?」


小1の頃の集合写真。


何かで優勝したときの写真で、上級生もいるのに盾とトロフィーを持っているのは1年生の勇翔たち。


勇翔が盾を、蒼空がトロフィーを持ってキラキラした笑顔を浮かべている。


皆の首には小さな金メダルもかかっている。


「そんな写真、なんで彩絢が持ってんの?」


「お父さんがくれたの」
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