俺がお前を夢の舞台へ
「“でも”なに?」


「……牡蠣にあたっちゃったんだってさ」


「はっ?」


精一杯の誤魔化しだった。


「案外蒼空でも食あたりには敵わないんだなぁって」


「……あっそう。お前も相変わらず話がぶっ飛んでるな」


勇翔が眉をひそめたまま言う。


「私、昔からそんなだっけ?」


「うん。コイツ何言ってんだろってよく思ってた」


そうだったんだ。


そんな風に思ってたんだ。


知らなかった。


なんか…傷つくんだけど。


「でも、アイツはいつもお前の言うことを理解してた」


「え…?」


蒼空のことだよね…?


今日、なんでそんなに蒼空の話をしてくれるんだろう。


やっぱり勇翔のことは分からない。
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