俺がお前を夢の舞台へ
勇翔の心の中がどう変わったのかは分からないけど、とにかく進歩だった。


「あ……」


でも…。


「私、6時半まで部活だ」


パァっと開けた視界にたちまち暗雲が立ち込める。


せっかく勇翔が誘ってくれたのに…。


「部活があるなら部活行けよ。甲子園、行きたいんだろ」


「でも……」


こんな風に勇翔が誘ってくれることなんてこの先ないかもしれない。


最初で最後かもしれないのに断れないよ…。


「まぁ放課後までにどうするか考えとけ。んじゃ、またあとでな」


私の返事を待たず、勇翔は教室を出ていってしまった。


最初で最後のお誘い。


大事な大事な部活。


どっちを選べばいいんだろう。


朝練なら多少休んでも文句言われないけど、放課後の練習を休むとなるとなぁ…。


一人でマネの仕事をさせるのは菜々子ちゃんに申し訳ないし…。
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