俺がお前を夢の舞台へ
けど、今なら勇翔と本音を話せそうな気がするんだ。


今しかないと本能が訴えかけてくる。


どうしよう…。


「彩絢ー？そろそろ移動しないと遅刻だよ？」


茉優の言葉で現実に引き戻される。


教室を見回すと、もう大半の生徒はいなくなっていた。


「ほら、行くよ！」


「あっ、うん」


慌てて茉優を追いかける。


私が追いつくと、茉優は歩調を緩めて小声で言った。


「結城くんと彩絢、変なウワサが立つかもよ」


変なウワサ…？


「何それ？」


「彩絢たちが昔付き合ってたってウワサ。クラスの子たちがコソコソ言ってたから、ウワサ話が一人歩きしそうだなぁって」


昔付き合ってた…って。


ホントもうやめてよね…。


バレンタインの日、ノゾミや茉優が余計なことを言ったせいできっと変になってるんだ。


変に意識してしまう。
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