俺がお前を夢の舞台へ
私の心を読んだような発言。


「勇翔はサボり慣れてるからいいけど、私は真面目なんだからね?」


勇翔の右側に回り、私たちは歩き出す。


「バイト先の近くでいい?こっからバスで10分くらい」


「うん、もちろん」


5時までってことは、バイトがあるんだろう。


やっぱり、勇翔にはバイトをしないといけない理由でもあるのかな…。


野球を辞めたのも……。


「ねぇ勇翔…」


門を出たところで勇翔に呼び掛ける。


勇翔はスマホで時刻表を調べていて反応してくれない。


「勇翔…?」


無視されるのが嫌で、顔を覗き込む。


「…なんだよビックリした」


「もう無視しないで…?」


たくさん話してくれたのに、次の日からいつも通りに逆戻りだなんて嫌だ。


これからもこの距離感でいたい。
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