俺がお前を夢の舞台へ
「そっかそっかぁ。話てくれてありがとね。嬉しかったよ!」


わざと明るい声を出すと、勇翔は頬を緩ませてくれた。


「自然な振る舞いがヘタクソすぎる。気を遣いすぎなんだよお前は」


「えへへ…。嘘がヘタだとはよく言われる…」


「だろうな」


テーブルに明るさと笑いが戻ってくる。


「ねぇねぇ勇翔。勇翔って彼女いるの?」


「いたらこんなところでお前と喋らねーよ」


「ホントに?怪しい」


その場のノリを装って聞いてみたけど、本当は聞く気満々だった。


この際、分からないことはなんでも聞いておきたい。


「いないって」


めんどくさそうな目で見られる。


「じゃああのスレンダー美女は誰?」


別にめんどくさい女だと思われてもいい。
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