俺がお前を夢の舞台へ
勇翔と話せるだけで満足だ。


「なんだよスレンダー美女って」


「バレンタインに会ってた人。私、偶然出くわしちゃったんだよね」


夢にまで出てきたあの女性。


てっきり彼女かと思ってたけど…違うのかな。


「あぁ、奈緒(なお)のこと?」


「わかんないけど、たぶん」


奈緒さんっていうのか…。


隣に立ちたくないと思うほど、すごく綺麗な人だった。


「奈緒はさっき言った、必要最低限の金を工面してくれる知り合いの妹。男除けのために、たまに彼氏のふりしてるだけ」


「へ、へぇ~…」


彼女じゃなかったんだ。


よかった…。


……“よかった”?


私ったら何考えてるんだろう…。


私…変だよ…。


勇翔に彼女がいようといなかろうと関係ないはずなのに。
< 160 / 434 >

この作品をシェア

pagetop