俺がお前を夢の舞台へ
勇翔が友翔くんへ思うに、私もそう思ってる。


「余計なお世話…だったかな。ごめんね」


私なんかに言われたくなかったかもしれない。


恐る恐る勇翔の顔色を伺うと、優しい表情を浮かべていた。


「んなこと思わねぇよ。ありがとう、彩絢」


「っ!!」


ド、ド、ド、ド、ド、ドッ


心拍数が跳ね上がる。


優しい顔で、懐かしい表情で、“ありがとう”が聞けた。


これがどんなに嬉しいことか。


「あ…ありがとうは私のセリフだよ。ありがとね、ホントに」


「…おう」


勇翔の表情はずっと穏やかだった。


再会した時のあの冷たい雰囲気は消えていた。


そして、自分の心に芽生えた新しい感情に気づきつつあったんだ。


彼氏持ちの自分には相応しくない、ズルい感情に…。
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