俺がお前を夢の舞台へ

守りたいもの-勇翔side-

【勇翔side】

「野球、楽しいか?」


「うん!楽しいよ!監督に褒めらたよ!」


ボロボロのアパートに友翔と二人。


それでも、友翔が野球を楽しんでいるのなら何でもよかった。


友翔は、母親の記憶がほとんどない。


もともと父親はいないから、両親の存在を知らないも同然だ。


だからこそ、友翔には楽しい毎日を過ごしてほしい。


そのために毎日遅くまでバイトして、時には朝早くからも働いて、友翔を養ってきた。


そんなギリギリの生活をしていることは、誰にも知られたくなかった。


特に彩絢。


金に余裕がない俺を知ってほしくなかった。


彩絢と仲良くなってプライベートが暴かれるのいが嫌で、なるべく避け続けた。


彩絢が俺と話したがってるのには気づいてたし、寂しそうな顔を見せられるたびに心が痛んだ。


けど、自分のプライドを守りたかった。
< 163 / 434 >

この作品をシェア

pagetop