俺がお前を夢の舞台へ
“うぜぇんだよ!!”

“俺に構うなっつってんだよ!!”


さっきコンビニで彩絢に言ってしまった言葉が頭から離れない。


俺のプライベートに踏み込むな。


その一心で、彩絢の気持ちを考えもせずに怒鳴りつけた。


「チッ」


涙を堪えた彩絢の顔が忘れられない。


自分のプライドのために彩絢を泣かすなんて情けねぇ。


この生活だって、自分で決めたことのはずなのに。


今胸を張って自分のプライベートを見せられない。


恥ずかしいと感じてしまう。


彩絢にはそんなこと関係ないのに。


彩絢は何も悪くないのに。




翌日会った彩絢の目は赤く腫れていて、余計に自分が憎くなった。


家に帰ってから泣いたんだろう。


好きな女を泣かせて、俺は何がしたいんだろう。
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