俺がお前を夢の舞台へ
「そもそも、お前が泣かすのが悪いんだろうが」


めんどくせぇ…。


コイツはいつからこんな鬱陶しい人間になったんだろうか。


「そうかもな」


テキトーにあしらったところで、苛立ちは消えなかった。


「ここ最近のお前を見て思った。こんな男に彩絢を任せてられないって」


隠し事ばかりのコイツと付き合ってたって彩絢は幸せになれない。


コイツの“秘密は”、もうコイツだけの秘密じゃない。


いろんな人に関わって、いろんな人を傷つける。


コイツに彩絢をとられたくない。


彩絢を悲しませることしかできない人間に預けられるか。


「今その話は関係ないだろ。俺は昨日の話をしてんだよ」


昨日の話だって、秘密の話だって、同じだ。


コイツは将来彩絢を傷つける。


なんでわかんねぇんだよ。


「…めんどくせぇ。ちょっとこっち来いよ。続きは外でだ」
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