俺がお前を夢の舞台へ
このまま続けても話は平行線だ。


俺たちの意見が合うことなんてない。


「話せよ。お前の過去をちゃんと。そうじゃないとお前が言いたいことが理解できない」


「話したって理解できないだろ。お前と俺じゃ、優先順位が違うんだ」


「それでも聞く権利はあるだろ」


「俺に話す義務はない」


バチバチと火花が散る。


冷たい風が俺たちを煽る。


お互い何も言わない沈黙が続く。


それを破ったのは蒼空だった。


「…俺らってさ、もうお互いに理解し合えねぇじゃん。絶対に」


口調は荒いけど、トゲはない話し方。


蒼空が俺に対して敵意を隠したのは初めてな気がする。


「だけど、知っとく必要はあると思う。不用意にお前を傷つけることがないようにしたいから」


……コイツもこういう考えができるんだな。
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