俺がお前を夢の舞台へ
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“蒼空!部活一緒に行こ!”
彩絢が頻繁に口にする言葉が脳裏に響く。
彩絢は何も知らない。
蒼空が病気だってことも、このまま運動を続けると病状が悪化して命が危ないことも。
純粋な気持ちで蒼空の夢を応援し、サポートしている。
そんな彩絢は、蒼空が急に倒れたらどう思う?
もし、急に死んだら?
死はいつ訪れるか分からない。
昨日まで平気で笑っていた人間が、今日死ぬかもしれない。
心の準備ができてない状態で蒼空の死を迎えるのと、覚悟してから迎えるのとでは全然違う。
俺は前者だった。
お袋が亡くなったことを受け入れるのに1年近くかかった。
幻影を見ては悲しみの淵に立たされた。
本心を打ち明けられて頼れる人間がいなかったから。