俺がお前を夢の舞台へ
「…心臓に欠陥があるらしい。運動を控えろって言われた」


口に出した瞬間、その言葉が震えていることに気づく。


…怖いのか。


怖じ気づいてんのか。


…だっせぇ。


「……そうか」


父さんの静かな声が胸に吸い込まれる。


グッと何かを堪える表情を見せ、俺の目を真っ直ぐに見つめる父さん。


「野球は辞めろ。母さんには父さんから話すから」


……。


「俺は辞めない」


俺も父さんを見つめ返す。


ジッと根競べするように。


俺は本気だ。


野球を辞めるつもりはない。


「このまま運動を続ければ、死ぬかもしれないんだぞ」


「んなの分かってるよ。それでも俺は…」


…俺は…野球を辞められない。


夢は叶える。


絶対に。
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