俺がお前を夢の舞台へ
「別に…そういうわけじゃねぇけど」


「なら放っとけよ。お前には関係ないだろ」


仲が良かったわけではないけど、俺は勇翔との関係を気に入っていた。


それなのに勝手にいなくなったことへの腹立たしさが沸々と再燃してくる。


一緒に甲子園を目指そうと語り合ったのに。


「……なんで何も言わずに引っ越したんだよ」


「んな話は今してない」


「…なんだよ。別にいいだろ」


勇翔に対していろいろ思うことはある。


けど、同じ夢を追う同志として、同じレベルの実力を持ってるライバルとして、話したいことがたくさんある。


そんな俺を見て、父さんは勇翔の連れの子を連れて何も言わずにその場を離れてくれた。


人気のない廊下で勇翔と二人。


何年も会ってなかっただけあり、微妙な気まずい空気が流れる。
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