俺がお前を夢の舞台へ
─ガラガラッ
前の扉が勢いよく開いた。
驚いて入り口に目を向けると、橘ではあまりみかけないヤンキーが立っていた。
金に近い茶髪で、ピアスが左右に複数個ついている。
新学期早々、制服を着崩していて、放つオーラも威圧的。
けど、顔の造形、スタイル、すべてが美しかった。
気だるそうに教室をなめ回し、私の隣の席にドカッと座る。
イケメンだと騒ぐ茉優とは対照的に、蒼空の反応は薄かった。
ほとんど見向きもせず、頬杖をついて何もない廊下を眺めている。
“転校生”からは他を寄せ付けない異様なオーラが醸し出されている。
この顔……。
雰囲気は全然違うけど…でも…。
「転校生の結城勇翔くんだ。仲良くしてやってくれ」