俺がお前を夢の舞台へ
彩絢が絡むとギクシャクする。


勇翔との関係が悪くなる。


それを避けたかったから、お互い牽制しあって彩絢へ告白することもなかった。


“彩絢には手を出さない”


それが俺たち二人の暗黙の了解だった。


『ねーねー蒼空!花火しよ!』

『海行こ!』

『冬になったらスキーも一緒に行こ!』


ずーっとニコニコしてて、毎日を楽しそうに生きている彩絢が好きだった。


勇翔が引っ越してからも、ずっと。



『蒼空っ!おはよー!』

『蒼空ーーっ、テストできなかった…』

『蒼空…勉強教えて…』

『蒼空、また明日ね』



いろんな“蒼空”を聞いてきた。


そのたびに嬉しくて、内心舞い上がっていた。
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