俺がお前を夢の舞台へ
仮に彩絢が勇翔を好きでも、他の男が好きでも、なんだっていい。


この笑顔を守りたい。


ずっと側にいたい。


そう思えるくらい、彩絢のことが好きだった。


だけど。


「あ、彩絢。今日どうしても俺ん家これない?」


「んー?別に行こうと思えば行けるよ?」


「んじゃ、来てくんね?」


ある日を境にして、彩絢と勇翔の距離が急速に縮まった。


会話から察するに、彩絢は勇翔の家に出入りしてる。


俺に何も言わずになんで勇翔の家に行くんだろうか。


近距離で話してる二人を見ると無性にイライラする。


と同時に、彩絢に必要なのは勇翔であって俺じゃないんだろうなと思わされる。


俺じゃなくて勇翔。 


俺じゃダメなんだ。


彩絢は勇翔を選ぶんだろう。


結局、昔からそうだった。


俺と勇翔と彩絢。


3人で一緒にいると、彩絢は勇翔を選ぶ。


俺が彩絢と付き合えたのだって、勇翔がいなかったからにすぎない。
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