俺がお前を夢の舞台へ
「友翔くん、着々と勇翔に似てきてるよ」


「そうか?アイツはそんなに生意気じゃないだろ」


生意気なところが似てるわけじゃない。


野球にひたむきなところ、お兄ちゃん思いなところ、ちゃんと勉強もできるところ。


「…勇翔の良い部分が受け継がれてるなってことだよ」


「……なんだそれ」


照れて隠しにそっぽを向く勇翔。


転校してきた当初は大人びた印象だったけど、案外まだ昔の面影を残している。


「まっ、あそこまで生意気な小学生はそう簡単に現れないって」


「はぁ?うぜー」


平和な笑いが起きる。


少し前までは考えられなかったこと。


勇翔と二人で笑い合えている。


それがすごくすごく幸せなんだ。
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