俺がお前を夢の舞台へ

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「ちょっとちょっとー!集中ー!!」


鬼ノッカー菜々子ちゃん。


ずっと野球をやっていたから、菜々子はノックが上手い。


蒼空はファーストを守ることもあるから、ノックは必須だ。


ただ、今日はエラーが多い。


「蒼空さーん!?ちゃんと捕ってくださいよーー!」


打球に対して体の動きが鈍い。


いつもの蒼空らしくない。


疲れてるのかな…。


どことなく上の空だし…。




蒼空のそんな精彩を欠いた状態は数日間続いた。


眉間にシワを寄せ、仏頂面で野球をしている。


楽しそうに野球をやっていた蒼空からは想像もつかない姿だ。


「蒼空、最近元気ないね。どうしたの?」


蒼空とのんびり話せるのも下校時間くらいだ。


最近私は勇翔の家に入り浸ってるから夜は会えないし。
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