俺がお前を夢の舞台へ
“お兄ちゃんが忙しくって寂しかったんだ”

“さーやちゃんが来てくれて嬉しい!”


そんなふうに言っていた。


今さら来るのを辞められないよ…。


「…あれ……」


そういえば…鍵……。


鍵かけたっけ…。


そのことに気づいたのは、スーパーに着いてからだった。


考え事をしてたせいで掛け忘れたかもしれない。


「急がなきゃ…」


蒼空のことは一旦頭の片隅に寄せ、急いで食材をカゴに突っ込んでいく。


幸いレジは空いていた。


エコバッグに食材を詰め、走ってスーパーを出る。


勇翔の家までは走ったら5分。


たぶん大丈夫だろうけど、まだ低学年の子を鍵がかかってない家に1人にするのは心配だ。
< 207 / 434 >

この作品をシェア

pagetop