俺がお前を夢の舞台へ
「それじゃ、またあとで」


遠くへ走り去っていく。


怒りもせず、受け止めてくれた。


その優しさに、心が揺さぶられている。


そんなことあってはならないのに。


勇翔を拒絶できなかった。


無抵抗で抱きしめられてしまった。


その事実が重くのしかかる。


蒼空のあの悲しげな顔が忘れられない。


私は蒼空を裏切るような行為をしてしまったんだ。


蒼空にどんな顔をして会えばいいんだろう。


「…なにやってんだか…」


情けない…。


ホント、最低だ私……。


最低だよ…。
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