俺がお前を夢の舞台へ

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結局、友翔くんは勇翔が見つけて連れて帰って来てくれた。


勇翔の隣に友翔くんの姿が見えた瞬間、安堵して腰が抜ける。


「さーやちゃんっ、大丈夫ー?」


勇翔に繋がれていた手を振りほどいて、友翔くんが駆け寄ってくれる。


「大丈夫?じゃねぇだろ。どんだけ心配かけたと思ってんだ」


「ごめんなさい…。だって…」


勇翔に怒られてシュン…としてしまった友翔くん。


その手には、何本ものお花が握られている。


「さーやちゃん今日元気なかったから、お花あげたら元気になってくれるかなって……」


……!!


私のために…。


「ありがとう…。ありがとう、友翔くん…」


なんて綺麗な心なんだろう。


そんな心に照らされて、自分の醜い部分が浮き彫りにされるような気分だった。
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