俺がお前を夢の舞台へ

終わり




「彩絢さんっ」


語尾を跳ね上げ、嬉しそうに菜々子ちゃんが話しかけてくる。



私にはその笑顔が眩しくて、とても目を合わせられなかった。


「なに?」


そう問えば、菜々子ちゃんは緩んでた表情をキリッとさせる。


「桜森高校が練習試合を引き受けてくれるみたいです」


「……桜森が?」


桜森と言えば、この辺り屈指の強豪校。


夏の甲子園に出るためには破らなければいけない相手だ。


去年の夏は、桜森と準々決勝でぶつかって夏が終わった。


「なんでうちなんだろう…」


ベスト8がベスト成績だから、弱小ってわけではないけど、桜森には何も敵わないのが現状。
< 217 / 434 >

この作品をシェア

pagetop