俺がお前を夢の舞台へ
終わり
「彩絢さんっ」
語尾を跳ね上げ、嬉しそうに菜々子ちゃんが話しかけてくる。
私にはその笑顔が眩しくて、とても目を合わせられなかった。
「なに?」
そう問えば、菜々子ちゃんは緩んでた表情をキリッとさせる。
「桜森高校が練習試合を引き受けてくれるみたいです」
「……桜森が?」
桜森と言えば、この辺り屈指の強豪校。
夏の甲子園に出るためには破らなければいけない相手だ。
去年の夏は、桜森と準々決勝でぶつかって夏が終わった。
「なんでうちなんだろう…」
ベスト8がベスト成績だから、弱小ってわけではないけど、桜森には何も敵わないのが現状。