俺がお前を夢の舞台へ
「あれ、先生いないじゃん」


道中、蒼空に話しかけられたような気もするけど、何も覚えていない。 


気がつけば保健室にたどり着いていた。


「当たったところちょっと見てい?」


蒼空の手が遠慮がちに肩へ伸びてくる。


「だ…ダメだよ…」


下着だって見えちゃうし、首筋や肩を触られるとドキドキしちゃうし…。


「自分でやるから大丈夫だよ」


「そう」


どことなく冷めた口調で、熱をもった患部が冷えていく。


痛みなんて感じない。


蒼空との意志疎通が上手くいっていない。


なんとなくそう感じて心が痛い。
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