俺がお前を夢の舞台へ
「…俺に隠してることない?」


「え…?」


冷たくて怖い目。


やっぱりすべて見透かされてる気がする…。


「…勇翔ん家に出入りしてるだろ」


……!!


やっぱり…。


知ってたんだ……。


「それと…勇翔に抱きしめられてたよな」


「…っ!?」


あれも…見られてた…?


ゆっくり、じっくり、表情を見られている気がして、思わず俯いてしまう。


怖くて蒼空の顔が見れない。


蒼空の纏う空気は、怒りでも悲しみでもない。


“無”


淡々としていてるその空気が怖かった。


「…俺らの関係って、何だったんだろうな」


「…ぇ……?」


口の中がパサついて声が掠れる。


「…付き合い始めた意味、あったのかなって」


一言一言が重たくのし掛かる。


息苦しい空気がしんどい。


今すぐに逃げ出したい。
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