俺がお前を夢の舞台へ
「…こんな風になるなら、幼なじみの関係を続けてればよかったって心底思ってる」


「……そんな…」


ドク…ドク…


心臓が唸っている。


ツーっと嫌な汗が背中を伝う。


また、重い沈黙が流れる。


そして。




「別れよう」




沈黙を切り裂いた言葉は、同時に私の心もダメにしたんだ。


なんとなく、覚悟はしていた。


蒼空に呆れられていること。


だけど、いざ面と向かって言われると、耐えられそうにないよ…っ。


自分が悪い。


それは分かってる。


蒼空より勇翔を優先してばかりだったこと、蒼空の前で勇翔と親しげにしすぎたこと。


勇翔に気持ちが揺れていたこと。


全部全部私が悪い。


分かってるけど…っ。


「別れたくないよ…っ」


自分勝手なのも分かってる。


だけど、別れたくない。
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