俺がお前を夢の舞台へ
「ダメなところは全部直すから…!だから別れるだなんて言わないで…」


蒼空にすがりついてでも止めたかった。


でも、近づくことすら許されない雰囲気で、とても触れることなんてできなかった。


「…ごめん。俺がしんどい。今の彩絢と付き合い続けるのはしんどい。自分勝手でごめん」


「……っ。そんな…」


私が悪い…っ。


私が勇翔と揺れてたから…っ。


ポツリ…ポツリ…と涙が落ちる。


泣く資格なんてないのに。


私が悪いのに。


「……その涙は勇翔に止めてもらえばいい。彩絢には、俺がいなくても勇翔がいる。だから…」


蒼空はそこで言葉を切った。


「だから…?だから何……?そんなの関係ないよ…っ」


蒼空は何も言わずに立ち上がって出口に向かう。


「蒼空…っ」


蒼空は私を見ることなく言った。


「もう…必要以上に俺に話しかけるな。…今の彩絢は好きになれない」


と。


遠ざかっていく足音。


誰もいなくなった保健室は、孤独な場所だった。
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